エンジェリック・ハウス

kido-nobunaga2004-04-05

うっきょー!



安野モヲコ作品の中で
なぜか社会派なメッセージ


「文明化の進んだ果ての22世紀の世界は、人々がコントロールされてる均質な文明で・・・・」
「その少年が22世紀を脱走し現代にやってきて、20世紀の人間に警鐘を・・・」
というテーマは手塚治虫チック。



ハゲかかった環境問題の専門家が
同じ主題を三時間にわたって講演してくれても、
何も心には響かないにちがいない。
シリアスに語られる世界への絶望はもう聞き飽きた。



安野モヲコならではの、
スタイリッシュで美貌と色気を備えた研究者、ハルが
現代に逃げてきたからこそ、のインパクトだ。



もちろんここでは、
佐伯啓思『「欲望」と資本主義』とか幸福論の指標みたいな
インテリの好きそうな本の得意ジャンルの話はおいとこう。
たかがマンガだしね。



音楽・映画・ファッション、そしてマンガも。
なくても生きていけるのかもしれないものたち。
しかし、そんな「無駄」がどれだけ豊かなことか。



その「無駄」のなかに
人間が人間たる所以が眠っている。
「人間らしさ」とはそんなところにあったりするんだろう。


地球が平らになった22世紀の
少年がそう言ってるんだから。



「まだ」というか、「もう」というか、
今、実は21世紀なんだよね。